北方人種に属する人々は「色素脱落すなわち
ブロンドの形質を持ち、
メラニン色素が極めて少ないので、
皮膚・
頭髪・
虹彩の色が薄い。皮膚のメラニン色素を殆ど欠くため皮膚色が極めて薄く、
血液が透けて見えるので薄桃色を呈する。毛髪はいわゆる金髪であるが、南に行くほど濃色になり、明るい褐色を呈する傾向がある。虹彩の色は青・緑・灰色である。顔は細長く、頭を上から見ると幅が狭く前後に長い。また身長が高い。身体的にも筋肉質である」などとされた。
古代ローマが栄えた時代の
ゲルマン人も主に北方人種であり、彼らは170cmあったとされた。フランスの人類学者アンリ・ヴァロワは「北方人種の男性の平均身長は173cmで、人類中でも高身長の範疇に属する。スカンディナヴィア南部からヨーロッパ北岸を通ってイギリスに分布する北方人種の一群には
クロマニョン人への類似が認められる」などとした。
上述されている通り多分に
人種イデオロギーな思想を含んでいる分類であり、その妥当性を主張する理論は矛盾や破綻、牽強付会に満ちている部分が多かった。一例として挙げられるのがハンス・ギュンターによる
アウグストゥス論で、彼は全ての歴史的資料を無視してアウグストゥスが北欧人の末裔であると主張した。その最大の理由は「
アウグストゥスが公平であったこと」である。これは彼らにとっての理屈である「北欧人や北欧系中欧人が最も優秀なヨーロッパ人」に対する一般的で率直な反論である、ヨーロッパ文明の父祖たる
古代ギリシャ・
古代ローマにそれらの人々が(少なくとも彼らが同時に主張した
アルプス人種や
地中海人種に比べて)殆ど関係していないという意見に窮した結果、導かれた奇妙な学説であった。また同様の理由から逆に北方人種は地中海人種から枝分かれして成立したとする理論も主張されたが、両者共に信憑性は薄い。