業務提供誘引販売取引 wikipedia|無料辞書
業務提供誘引販売取引(ぎょうむていきょうゆういんはんばいとりひき)とは、「特定商取引に関する法律」(
特定商取引法)第51条で定義される、以下のような条件を全て満たす取引である。
・業者が
販売する広義の商品又は提供する役務を利用する業務により、顧客に対して利益(「
業務提供利益」という)が得られるとして誘引する。
:但し、この「業務」は、業者が自ら提供する業務、又は、業者があっせんした業務に限られる。
・顧客に何らかの金銭的負担(「特定負担」という)がある。
・広義の商品の販売若しくはそのあっせん、又は、役務若しくはそのあっせんに係る取引(取引条件の変更を含む)である。
ここで、「広義の商品」としているものは、物品の他に、施設利用権、役務の提供を受ける権利を含んだものである。
業務提供誘引販売取引の例をいくつか示す。
・業者より
パソコンを購入すれば、業者がデータ入力の業務を提供する。
・○○士の資格試験対策講座を受講して資格を得れば、業者がその資格を要する業務をあっせんする。
・名簿を購入して
ダイレクトメールの宛名書をする。そのダイレクトメールを読んだ人が、商品を購入すると、業者から収入が得られる。
・業者より
浄水器を購入してモニター会員になる。モニター会員は、浄水器に関するアンケートや感想文を出したりすると、業者からモニター料が支払われる。
この商法は、業者が、顧客に多額の金銭的負担(
ローンのこともある)をさせるものの、いろいろな口実で業務の提供をしなかったり、提供したとしても勧誘時に説明より著しく食い違いのあるといったことが頻発していた。
1990年代後半より、このような被害が続出したため、
2001年6月より特定商取引法により「業務提供誘引販売取引」として次のような厳しい
規制がされるようになった。
・ 契約締結前や契約締結時の書面交付の義務付け
・
広告への一定事項の表示の義務付けや誇大広告の禁止
・ 不適切な勧誘行為の禁止(不実告知、威迫困惑行為等)
◆特定商取引法に基いた説明
この章では、特定商取引法に基いて、業務提供誘引販売取引に関する用語や行為規制などについて説明する。
また、説明中、平成16年11月4日付の各経済産業局長及び内閣府沖縄総合事務局長あて
通達「特定商取引に関する法律等の施行について」を引用している部分がある。この通達は、本稿では単に「通達」と記す。
◇特定負担とは
「特定負担」とは、商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は「取引料」の提供をいう。
(ここで「取引料」とは、取引料、登録料、保証金その他いかなる名義をもってするかを問わず、取引をするに際し、又は取引条件を変更するに際し提供される金品をいう。)
結局、「特定負担とは、業務提供誘引販売取引に伴い顧客が負うあらゆる金銭的な負担」(通達)ということになる。
◇業務提供利益とは
本稿、冒頭部参照。
◇業務提供誘引販売取引とは
本稿、冒頭部参照。
◇禁止行為
・業務提供誘引販売取引業を行う者は、無店舗個人との契約の締結について勧誘をするに際し、又は契約の解除を妨げる為に次のことをしてはならない。
・故意の事実不告知
・不実告知
なお、事実不告知、又は不実告知の対象となる事項については、詳細な規定がある。
・業務提供誘引販売取引業を行う者は、業務提供誘引販売取引についての無店舗個人との契約を締結させ、又は連業務提供誘引販売取引についての契約の解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
・業務提供誘引販売業を行う者は、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所、代理店等以外の場所において呼び止めて同行させた者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約の締結について勧誘(いわゆる「キャッチセールス」)をしてはならない。
・業務提供誘引販売業を行う者は、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに、次の方法で営業所その他特定の場所への来訪を要請し、公衆の出入りする場所以外の場所において当該契約の締結について勧誘(いわゆる「アポイントメントセールス」)をしてはならない。
:来訪を要請する方法
・電話、郵便、信書便、電報、ファクシミリ装置を用いて送信する方法
・電磁的方法
・ビラ若しくはパンフレットを配布
・拡声器で住居の外から呼び掛ける
・住居を訪問
◇不実告知をしたか否かの合理的な根拠を示す資料の提出
主務大臣は、不実告知をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは、その業務提供誘引販売業を行う者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
業務提供誘引販売業を行う者が当該資料を提出しないときは、不実告知をしたとみなされる。
◇広告規制
業務提供誘引販売取引業を行う者は、広告をするときは、下記の事項を表示しなければならない。
・商品又は役務の種類
・当該業務提供誘引販売取引に伴う特定負担に関する事項
・その業務提供誘引販売業に関して提供し、又はあっせんする業務について広告をするときは、その業務の提供条件
・業務提供誘引販売業を行う者の氏名又は名称、住所及び電話番号
・業務提供誘引販売業を行う者が法人であって、「電子情報処理組織」を使用する方法により広告をする場合には、当該業務提供誘引販売業を行う者の代表者又は業務提供誘引販売業に関する業務の責任者の氏名
:ここで「電子情報処理組織」とは、業務提供誘引販売業を行う者の使用に係る電子計算機と顧客の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。
:具体的には、「電子情報処理組織を使用する方法により広告」とは、Web、パソコン通信、電子メール等による広告ということになる。
・商品名
また、誇大広告等や所謂「迷惑メール」による広告についても規制されている。(詳細な規定あり)
◇誇大広告等の禁止
業務提供誘引販売取引業を行う者は、広告をするときは、誇大広告をしてはならない。
(詳細な規定あり)
◇誇大広告か否かの合理的な根拠を示す資料の提出
主務大臣は、誇大広告か否かを判断するため必要があると認めるときは、その広告表示をした業務提供誘引販売取引業を行う者に対し、期間を定めて当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
広告表示をした業務提供誘引販売取引業を行う者が、資料を提出しないときは、誇大広告とみなされる。
◇書面の交付
・業務提供誘引販売業を行う者は、業務提供誘引販売取引に伴う特定負担をしようとする無店舗個人とその特定負担についての契約を締結しようとするときは、その契約を締結するまでに、概要について記載した書面(「概要書面」)をその者に交付しなければならない。
・業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約(以下、「業務提供誘引販売契約」という)を締結した場合において、その契約の相手方が無店舗個人であるときは、遅滞なく、その業務提供誘引販売契約の内容を明らかにする書面(「契約書面」)をその者に交付しなければならない。
概要書面、契約書面に記載しなければならない事項は、次の表の通りである。
書面の法定記載事項
| 法定記載事項 | 概要 書面 | 契約 書面 |
| 業務提供誘引販売業を行う者の氏名又は名称、住所及び電話番号並びに法人にあっては代表者の氏名 |
○ | ○ |
| 商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の種類及びその性能若しくは品質に関する重要な事項又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容に関する重要な事項 |
○ | - |